触れないで、杏里先輩!
「そういえば美桜は部活やってる?」

「いえ」

「俺も帰宅部」

「帰りは亜季ちゃんと帰ってるの?」

「亜季ちゃんは自転車で駅とは逆方向なので一人です」

「そっか」

最初は緊張したけれど、話していくうちに少しずつ慣れてきた。
杏里先輩が途切れないように会話を投げてくれるお陰もあるかもしれないけれど、昔馴染みっていうのもあるかもしれない。
箸もだんだん動くようになってきた。

そんな中、なんとか食べ終わり、お弁当箱を袋に仕舞う。

「美桜は食べ物アレルギーの治し方、知ってる?」

杏里先輩も食べ終わっていて、紙パックのコーヒーを持ちながら言った。

私は首を傾げて思案する。
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