愛しているので離婚してください～御曹司は政略妻への情欲を鎮められない～

　でもページを送って見つけた、お土産で確信した。俺が選んだ佃煮や漬物が並んでいる。

「多分、星光だ」
　透を急かしてアカウントURLを転送してもらう。

「やっぱりそうか。しかし写真も上手いんだなぁ」

　アプリのインストールから初めてアカウント名にしばし悩み、starlightに結婚記念日をかけ合わせたものにする。

　彼女がインスタを始めたのは二年前の誕生日。趣味は一人旅だと、プロフィールに書かれている。

「星光さんって旅行が趣味だったんだなぁ」

　楽しそうだと透が言う通り、一人旅を心から楽しんでいるとわかる写真の数々だ。

　一枚ずつ見ているうちに、俺は泣きたくなった。

　彼女の中に俺はいない。

　俺は星光からとっくに見放されていたんだ。