愛しているので離婚してください～御曹司は政略妻への情欲を鎮められない～

　美々子は綾星さんを好きなの？

　私と美々子の関係がこじれたのは中等部に通っていた時だ。

　ある時私は他のクラスの男の子に告白された。
　私はまだ子供で恋愛には興味がなかったし、兄も厳しかったから男の子と付き合うなんてまったく考えれず、その場で断った。

　普通ならそれで終わるはずが問題が起きた。
　美々子が激怒したのである。

『どういうことよ！』
『どうって？』

　美々子には公認のボーイフレンドがいたから、私は美々子が怒る意味がわからなくて戸惑うばかりだったけれど、あとでクラスメートが教えてくれた。
　彼は美々子の取り巻きのひとりだったので、心変わりが許せなかったらしい。なぜか私が誘惑したことになっていたのである。

　あの日を境に私と彼女には大きな壁ができた。