愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
帰りの車の中でぼんやりとそう思っていると「ねえねえ」と綾乃が俺の腕を叩く。
「お兄ちゃんさ、星光さんとどうなってるの?」
「ん?」
「離婚するような素振り見せないじゃないし」
「俺はひと言も離婚するとは言ってないぞ」
「え、そうなの? でも星光さんは出ていっちゃったんでしょ?」
ああ、離婚届を置いてな。
でも、それはそれだ、俺はそのまま受け入れるつもりはない。
「じゃあ、なんとかしてよ!」
「綾乃。星光が行きそうなところ、どこか知らないか?」
「ええ? わからないわよ。星光さんのお友達とか知らないの?」
知らない。結婚披露宴の名簿でも調べればもしかしたらわかるかもしれないが。探すなと言われているし。
『彼女は一匹狼のような子だったしなぁ』
氷室仁が言っていたとおりなら、友達はいないかもしれないし。
「でもお兄ちゃんその前に、星光さんに電話はしたの?」
「――いや」
「なんでしないのよっ!」
「お兄ちゃんさ、星光さんとどうなってるの?」
「ん?」
「離婚するような素振り見せないじゃないし」
「俺はひと言も離婚するとは言ってないぞ」
「え、そうなの? でも星光さんは出ていっちゃったんでしょ?」
ああ、離婚届を置いてな。
でも、それはそれだ、俺はそのまま受け入れるつもりはない。
「じゃあ、なんとかしてよ!」
「綾乃。星光が行きそうなところ、どこか知らないか?」
「ええ? わからないわよ。星光さんのお友達とか知らないの?」
知らない。結婚披露宴の名簿でも調べればもしかしたらわかるかもしれないが。探すなと言われているし。
『彼女は一匹狼のような子だったしなぁ』
氷室仁が言っていたとおりなら、友達はいないかもしれないし。
「でもお兄ちゃんその前に、星光さんに電話はしたの?」
「――いや」
「なんでしないのよっ!」