愛しているので離婚してください~御曹司は政略妻への情欲を鎮められない~
「そうなのか。じゃあ退職したんだろうな。大手の秘書があんな風に大っぴらにホストを連れ歩くとは思えないし」
やっぱりホストだったのね。
「彼のほうは氷室さんの知り合いですか?」
「うん。ジュジュって言ってこの辺じゃ有名な人気のホスト。クラブのオーナーが知り合いでね」
ホストクラブのオーナーと知り合いとは。なるほどさすがに顔が広い。
同じ御曹司でも綾星さんとはまったく違う。
氷室さんは青扇学園の先輩で、私の兄とも親しい。
今でこそ社交的で朗らかだけれど、高校生の頃までの氷室さんは、少し不良っぽい怖い先輩だった。
ふとしたはずみに、その頃の片鱗を見せるが、それは昔の彼を知っている人しか気づかないだろう。
ずっと昔。
私は氷室さんが好きだった。
でも何もなかった。
私がどんなに想っても、彼にとって私はあくまでも花菱飛翔の妹でしかなくて。それがよくわかっていた私は気持ちを打ち明ける機会も勇気もなかった。
一足先に氷室さんは社会人になり、淡い初恋は甘酸っぱい記憶と共に、私の初恋はひっそりと終わりを告げている。
その後は時々パーティーで見かければ話をする程度だった。
やっぱりホストだったのね。
「彼のほうは氷室さんの知り合いですか?」
「うん。ジュジュって言ってこの辺じゃ有名な人気のホスト。クラブのオーナーが知り合いでね」
ホストクラブのオーナーと知り合いとは。なるほどさすがに顔が広い。
同じ御曹司でも綾星さんとはまったく違う。
氷室さんは青扇学園の先輩で、私の兄とも親しい。
今でこそ社交的で朗らかだけれど、高校生の頃までの氷室さんは、少し不良っぽい怖い先輩だった。
ふとしたはずみに、その頃の片鱗を見せるが、それは昔の彼を知っている人しか気づかないだろう。
ずっと昔。
私は氷室さんが好きだった。
でも何もなかった。
私がどんなに想っても、彼にとって私はあくまでも花菱飛翔の妹でしかなくて。それがよくわかっていた私は気持ちを打ち明ける機会も勇気もなかった。
一足先に氷室さんは社会人になり、淡い初恋は甘酸っぱい記憶と共に、私の初恋はひっそりと終わりを告げている。
その後は時々パーティーで見かければ話をする程度だった。