粗大ごみを拾ってしまった(番外編その4)大森VS巫女の恋愛格差問題
<大森のマンション>

大森は、
背中にリシェルの重さと、温かさを感じながら、
この、こみあげてくる感情が、
いったい何なのか、考えていた。

現世では、
このような感情を<幸せ>と
定義するのだろうか。

リシェルがまたささやいた。

「大森様ぁ、
<夫婦の夜の(いとな)み>をしなくてはいけませんよね?

現世の夫婦は、
みんなするって聞いたので」

「・・・・・!」

大森の動きが止まった。

「まぁ・・その辺は・・
いろいろ・・別に夜でなくても」
思わず、声が上ずってしまう。

これも今後の課題ではあるが・・
<幸せ>のひとつなのだろう・・

大森は深く・・・
いろいろな意味を含めて、
ため息をついてから、言った。

「リシェル、
その件は(ほか)では話さないように・・
二人だけの秘密だからね」

「ハーイ、わかりましたぁ!」
ピンクのウサギは、ご機嫌で答えた。

<わかってないだろ・・>

大森は小声でつぶやいたが、
それでも、
胸の内が温かい何かで、
満たされてくるのを、実感していた。
                            おわり


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