【完】鵠ノ夜[上]
「こいちゃん。
ぼくたち四人に何か黙ってることはありませんか」
「……何言ってるの、芙夏」
「実はこっそりレイちゃんと仲直りしたよね!?
縁側で仲良さそーにおしゃべりしてたもんね……!」
「な、っ……
ちょ、なんで縁側にいたこと知ってんの、」
「膝枕なんかしてもらっちゃってさ!
ぼくがどれだけ心配して悩んでたか知らないで呑気に……!」
「わかった話すから落ち着いて……」
──夕飯の時間になって。
すぐさまこいちゃんを問い詰めてみたらこの通り。ゆきちゃんが「はあ?」と盛大に不機嫌なんだけどそれは後でも良いですか。
「仲直りっていうか……
ごめんって、謝って話してただけだけど」
「それのどこに膝枕の必要性があるのか事細かに教えてもらえるかな?胡粋さん」
「雪深うざい……」
「あ〜っ、むかつく……!
芙夏があんなに悩んでたのにカワイソー」
「それは本当にごめんって……
芙夏が俺らのこと心配してんのちゃんと分かってたけど、やっぱり……数日考えても答えは同じだったから、自分からレイのところに行った」
「へえ。そういえばお前、
知らない間に告白もしたとか~?はぁん?」
「それは俺悪くないんだけど……
あの場で暴露されて俺もどうしようかと思ったんだから」