一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
1、一晩だけあなたを私にください
「雪乃先輩、見てください。沖田さんのデスク、チョコだらけですよ」
定時後、パソコンの電源を落としながら、亜希ちゃんが沖田くんのデスクを見て引き気味に笑う。
今日は二月十四日。バレンタインデー。
亜希ちゃんこと沢口亜希は私の二年後輩。
小柄でエアリーなミディアムヘアの彼女は見た目はアイドルのように可愛いけど、中身は肝っ玉母さんで、何事にも動じず頼りになる。
私の斜め前が沖田くんの席。そこに山のように積まれている色とりどりのラッピングがされたチョコは、女性社員がどこからともなくひっきりなしに現れて置いていったもの。
沖田くん……沖田怜は、社内一のモテ男で私の同期だ。
「毎年恒例だけど、ここまでくるとお供えものだね。沖田大明神……なんてね」
私は山本雪乃、二十七歳。
背は百六十三センチ、目鼻立ちがハッキリしているせいか、中学生の時は大人に間違われていつも学生証を所持していた。ようやく年相応に見られるようになったけど、自分の顔はあまり好きではない。
定時後、パソコンの電源を落としながら、亜希ちゃんが沖田くんのデスクを見て引き気味に笑う。
今日は二月十四日。バレンタインデー。
亜希ちゃんこと沢口亜希は私の二年後輩。
小柄でエアリーなミディアムヘアの彼女は見た目はアイドルのように可愛いけど、中身は肝っ玉母さんで、何事にも動じず頼りになる。
私の斜め前が沖田くんの席。そこに山のように積まれている色とりどりのラッピングがされたチョコは、女性社員がどこからともなくひっきりなしに現れて置いていったもの。
沖田くん……沖田怜は、社内一のモテ男で私の同期だ。
「毎年恒例だけど、ここまでくるとお供えものだね。沖田大明神……なんてね」
私は山本雪乃、二十七歳。
背は百六十三センチ、目鼻立ちがハッキリしているせいか、中学生の時は大人に間違われていつも学生証を所持していた。ようやく年相応に見られるようになったけど、自分の顔はあまり好きではない。