一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「ああ。社長にも意見するもんなあ」
「さすが沖田さん! 私一生ついて行きます!」
亜希ちゃんが持ち上げると、怜は優しく微笑んだ。
「沢口さんが一生働きたくなるような会社を目指すよ」
それからいただきますをしてランチを楽しむ。
デザートのティラミスが運ばれてきたが、怜は手をつけない。
「甘いの苦手なんだ。誰か食べる?」
私と亜希ちゃんに目を向ける彼。
あれ?
バレンタインの時はクッキーたくさん食べてたのに、甘い物苦手だったの?
怜の発言に驚いていたら渡辺くんも私たちにデザートを譲った。
「あっ、じゃあ俺のもどうぞ。ふたりで食べてよ」
「じゃあ、雪乃先輩、遠慮なくいただきましょう」
ニンマリする亜希ちゃんに頷くと、怜に目を向けた。
「そうだね。ありがとう。いただきます」
ティラミスの味は甘さも控え目で私好みの味だった。
亜希ちゃんと「美味しいね」と言い合っていたら、前から手が伸びてきてスプーンごと手を掴まれた。
え?
ポカンとする私に構わず怜が前屈みになってティラミスをパクッと口にする。
「意外とうまいかも」
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