一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
ペロッと唇を舐めて彼はセクシーに微笑む。
だが、私と亜希ちゃんと渡辺くんの三人は固まっていた。
みんなすぐに怜の行動を理解できなかったんだと思う。
ちょ……ふたりだけじゃないのになにやってるの!
怜の大胆な行動に呆気に取られていたら、亜希ちゃんがフフッと笑った。
「沖田さん、それ誰にでもやっちゃダメですよ。女の子が自分に気があるんじゃないかって勘違いしちゃうから」
「そうかな? 山本さんは勘違いした?」
怜が楽しげに私を見て確認する。
「いいえ。沖田くんの悪戯だと思ってるよ」
出来るだけ平静を装って答えたら、彼は意味深な発言をする。
「だってさ、沢口さん。大丈夫。ちゃんと誤解されないように相手は選んでるから」
怜の言葉に首を縦に振って渡辺くんが相槌を打つが、その時彼がチラッと私を見て微笑んだ。
「うんうん、そうだね。沖田課長はちゃんと選んでる」
この目、ひょっとして渡辺くんは私と怜の関係を知ってるの?
少しビクビクして彼の様子を窺っていたが、怜のことにはもう触れず亜希ちゃんに目をやった。
< 101 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop