一晩だけあなたを私にください～エリート御曹司と秘密の切愛懐妊～

ううん、私はピルを飲んでるから、妊娠なんてありえない。
でも……どんなに避妊してたって百パーセント妊娠しない保証なんてない。
もし……妊娠してたら？
そう考えたら、余計に食欲がなくなった。
そこへ亜希ちゃんが戻ってきて、箸を止めている私に注意する。
「雪乃先輩、全然食べてない。残したら沖田さんに報告しますよ」
「沖田くんは上司であって保護者じゃないんだけど」
ハーッと溜め息をついたら、彼女はニコッと微笑んだ。
「沖田さんに雪乃先輩がちゃんと食べてるか見ててって頼まれてるんです」
「私の知らないところでそんな話してたの？」
驚く私に顔を近づけて彼女は声を潜めた。
「心配なんですよ。愛されてますね」
「亜希ちゃん！」
思わず声を上げたら、周囲の視線を集めてしまい、小声で注意した。
「変なこと言わないで」
「事実です。私が予言しましょう。雪乃先輩と沖田さんは結婚します」
どこか楽しげに言う彼女の発言に胸がチクッとする。