一晩だけあなたを私にください～エリート御曹司と秘密の切愛懐妊～

「山本さん、お客さんだよ」
「お客さん？」
首を傾げて彼に聞き返したら、「沖田取締役」という答えが返ってきた。
沖田取締役？
社長のこと？
でも、社長なら社長って言うよね？
一体誰？
ドアの方に目を向けたら、修二さんがいた。
スーツ姿でいつもと雰囲気が違う。
「誰ですか？　あのカッコいい男性」
私に顔を寄せて尋ねる亜希ちゃんに笑顔で答えた。
「沖田くんの叔父さんだよ」
「あー、言われてみれば沖田さんに似てますね」
彼女の言葉に「うん。どっちも美形よね」と相槌を打って席を立つと、修二さんが私の席までやってきた。
「やあ、久しぶり。怜から捻挫したって聞いたけど？」
「もう大丈夫です。あの、修二さんはどうしてここに？」
「俺も役員で社長に呼び出されたんだ」
怜の叔父さんだもんね。
役員をしていても不思議ではない。
「スーツ姿素敵ですね」
修二さんを褒めたら、とびきりの笑顔で返された。
「どうも。やっぱ美人に言われると嬉しいな。これからデートしようか？」
突然の誘いに思わず変な声が出た。