一晩だけあなたを私にください～エリート御曹司と秘密の切愛懐妊～

「ヘ？　あの……それは……」
修二さんとデートなんて怜に知られたらなんと言われるかわからない。
でも、断るのも悪いし、この場合どうすればいい？
悩んでいる私を見て修二さんがフッと笑った。
「冗談だ。怜に頼まれてな。送ってくよ」
「いえ、そんな悪いからいいですよ」
首を左右に振って断ったが、修二さんは受け入れず私に命じる。
「遠慮しない。ほら、デスクの上片付ける」
こういう強引さ、怜と一緒だ。
ここで揉めると目立つし、仕事をしているみんなの邪魔になる。
修二さんと帰るべきかな。
でも、また亜希ちゃんより早く帰るのは悪い。
「大丈夫ですよ、雪乃先輩。私ももう帰りますから」
亜希ちゃんが私の肩をポンと叩く。
そんなこと言って残業するのが彼女だ。
「でも……」と躊躇する私に向かって渡辺くんが微笑んだ。
「山本さん、沢口さんは俺が責任持って帰らせるから心配しなくていいよ」
渡辺くんがいるなら大丈夫だろう。