一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
せっかく彼への気持ちを抑えているのに、このままだとポロッと「好き」と口にしてしまいそうだ。
その後食事を終えて店を出るが、足元がふらついた。
「キャッ!」
転びそうになる私を沖田くんが抱き留める。
「危ない! 大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫。ちょっとヒールが高いから転けただけ」
沖田くんから離れるが、彼はまだ私の腕に手を添えている。
「シャンパン結構飲んだから酔ったんだろ?」
「酔ってない。頭はクリアだもん。沖田くんが三人いるけどね。三人ともイケメン」
クスクス笑って冗談を言ったら、沖田くんがハーッと溜め息をついた。
「はい、はい。酔っ払い確定だな」
「だから酔ってないよ。今のは冗談です」
否定したが信じてくれない。
「いつもとテンション違う。はしゃぎすぎだ。送ってく」
私の手を掴んで彼は通りでタクシーを拾う。
「本当に平気だよ。ひとりで帰れるから」
万が一会社の人に見られたら変な噂が立つ。
沖田くんの手を外して帰ろうとするも、彼に背中を押されて強引にタクシーに乗せられた。
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