一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
父は頑固だ。
兄が反対しても強引に話を進めたのだろう。
「ううん。お兄ちゃんは悪くないよ」
私だって父に強く言えなかった。
ずっと逃げていたのだ。
「うちは潰れてもいい。雪乃は雪乃の人生を生きろ」
兄の覚悟が感じられる言葉だった。
潰れてもいい……か。
だが、従業員だっている。
出来れば潰さず、少しずつ借りたお金を返済できるような形にしていければいいのだけれど。
うまく松本と交渉したい。
「ありがと」
まだ自分がどうするか兄には伝えなかった。
悪者になるのは私だけでいい。
私の返事を聞いて兄は車を発進させた。
いつの間にか雨が止んで晴れ間が見えている。
兄のお陰で心も少し軽くなった。
十分ほどで家が見えてきた。
田んぼの真ん中にポツンとある白い二階建ての家が私の家。
二年前に兄が結婚する時に改築したから私が住んでいた頃の面影はあまりない。
兄が家の前に車を停めると、美久さんが出迎えてくれた。
兄が反対しても強引に話を進めたのだろう。
「ううん。お兄ちゃんは悪くないよ」
私だって父に強く言えなかった。
ずっと逃げていたのだ。
「うちは潰れてもいい。雪乃は雪乃の人生を生きろ」
兄の覚悟が感じられる言葉だった。
潰れてもいい……か。
だが、従業員だっている。
出来れば潰さず、少しずつ借りたお金を返済できるような形にしていければいいのだけれど。
うまく松本と交渉したい。
「ありがと」
まだ自分がどうするか兄には伝えなかった。
悪者になるのは私だけでいい。
私の返事を聞いて兄は車を発進させた。
いつの間にか雨が止んで晴れ間が見えている。
兄のお陰で心も少し軽くなった。
十分ほどで家が見えてきた。
田んぼの真ん中にポツンとある白い二階建ての家が私の家。
二年前に兄が結婚する時に改築したから私が住んでいた頃の面影はあまりない。
兄が家の前に車を停めると、美久さんが出迎えてくれた。