一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
明日結納だというのに他の男性の子供をお腹に宿しているのだから軽蔑されるかもしれない。
それでも、この子だけは守らなければ。
冷たい視線を向けられることを覚悟していたが、美久さんの私をみる目はとても温かい。
「わかったわ。食事、辛いでしょう? なるべくお父さんたちと時間をずらすようにするわね」
本当、お兄ちゃん、いいお嫁さん見つけたね。
「美久さん、ありがとう」
「他になにか協力できることがあったら言ってね」
優しく微笑む彼女を見て私も頬を緩めた。
「はい」
美久さんにバレてしまったのは、結果としてよかったかもしれない。
妊娠して一番辛いのが食事だし、女性の協力者がいるのはなにかと心強い。
その後しばらく部屋で休むと、バッグからスマホを取り出した。
今、時刻は午前十一時五分。
怜は私が辞めたことをもう知っているはず。
カンカンに怒ってるだろうな。
今ごろ亜希ちゃんを問い詰めているかも。
「どうして山本さんがいないのか?」って。
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