一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「ありがとう。最近、同じようなことを他の人にも言われました」
「雪乃ちゃんのことが大事なのよ。海だってそう。あの人無口なタイプだからあんまり言葉にしないけど、雪乃のちゃんのこと思ってる」
「お兄ちゃんのことよくわかってますね。美久さんはどうして兄と結婚しようと思ったんですか?」
「海がフランスに行く前まで付き合ってたの。でも、『いつ日本に戻るかわからないし、別れよう』って言われて一度別れたのだけど、やっぱり彼以外の人は好きになれなくて、彼を追って私もフランスに行ったの」
ニコッと微笑む美久さんの笑顔がとても綺麗だった。
彼女はとても強い人だ。
兄もフランスには相当の覚悟でフランスに行ったから、美久さんについて来てとは言えなかったに違いない。
「そんなことがあったんですね。美久さんだから恋バナ聞けますけど、お兄ちゃんには絶対に聞けないです。聞いても聞こえなかったふりされそう」
兄から恋バナなんて聞いたことはない。
年が離れていたこともあるけど、そういう話をオープンにする人ではない。
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