一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「その包み、何が入っているんだ?」
「ちょっとね。今日の結納に必要なもの」
ハハッと笑って曖昧に答える。
五百万円入っているとは言えない。
実は昨日墓参りに行った後、銀行に寄っておろしてきたのだ。
二十分ほどタクシーに乗っていると、大きなビルが見えてきて兄がポツリと言った。
「あれが今日の会場のホテルだ」
天にそびえるように立っているビル。
周囲に高層ビルがないから目立つ。
去年福井駅前にオープンした二十階建ての高級ホテルで福井のランドマークになっている。
皮肉にも沖田不動産が土地を買収し、松本建設が建てたものだが、ホテルの雰囲気は和モダンでとても素敵でスタッフも洗練されているしとてもいい。
まず控え室に案内されたが、部屋に入るとソファとテーブルセットが置いてあって、スーツ姿の父がソファに座ってスマホを見ていた。
私をチラリと見て「やっと来たか」と言う父に、兄が尋ねた。
「松本さんはもう来てるのか?」
「ああ。うちももうすぐ呼ばれるだろう」
父の返答を聞いて身体が緊張してきた。
「ちょっとね。今日の結納に必要なもの」
ハハッと笑って曖昧に答える。
五百万円入っているとは言えない。
実は昨日墓参りに行った後、銀行に寄っておろしてきたのだ。
二十分ほどタクシーに乗っていると、大きなビルが見えてきて兄がポツリと言った。
「あれが今日の会場のホテルだ」
天にそびえるように立っているビル。
周囲に高層ビルがないから目立つ。
去年福井駅前にオープンした二十階建ての高級ホテルで福井のランドマークになっている。
皮肉にも沖田不動産が土地を買収し、松本建設が建てたものだが、ホテルの雰囲気は和モダンでとても素敵でスタッフも洗練されているしとてもいい。
まず控え室に案内されたが、部屋に入るとソファとテーブルセットが置いてあって、スーツ姿の父がソファに座ってスマホを見ていた。
私をチラリと見て「やっと来たか」と言う父に、兄が尋ねた。
「松本さんはもう来てるのか?」
「ああ。うちももうすぐ呼ばれるだろう」
父の返答を聞いて身体が緊張してきた。