一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
クスッと笑ったら、彼女は俺の目を見て申し訳なさそうに返した。
「……ずっと隠しててごめんなさい。松本の件が解決したら怜に全部打ち明けるつもりでいたの。……妊娠のことも」
「雪乃らしいよ。これからは俺にちゃんと言うように。俺たち一生を共にするんだから。それに、赤ちゃんのことは正直言って嬉しいよ。素敵な宝物をもらった」
結婚したい女じゃなきゃ避妊しないなんて危険な真似はしない。
いくら相手がピルを飲んでると言ったって普通は警戒する。
避妊しなかったのは、やっぱり雪乃の子供が欲しいと本能的に思ったんだと思う。
「怜……。ありがとう」
松本の前では気丈に振る舞っていたのに、今の彼女の目からは涙が溢れ落ちている。
その涙を指で拭いながら彼女に微笑んだ。
「さあ、雪乃のお父さんに挨拶しに行こう」


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