一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
母には全て打ち明けたが、周囲の噂になるのを気にして同級生に犯されそうになったと警察には言えず、次の日から引きこもりになった私。
恐怖で学校になんて行けなかった。
だって同じクラスの男子に襲われたのだ。
たまたま誰かが通りがかって未遂に終わったが、運が悪ければそのままレイプされていただろう。
引きこもる私を見て母は東京の伯母の家に行くことを勧めた。
父も世間体を気にして渋々承諾。
大学は東京の学校を受験し、就職する時も福井に帰らなかった。
上京してから福井に帰ったのは母と祖母のお葬式だけ。
あの忌まわしい出来事を忘れたかった。
もう福井には戻らないつもりでいたのに、結婚の話が決まって……。
しかも、最悪なことに相手は私を犯そうとした同級生。
父がもしそのことを知っていたら、結婚の話は断っていただろうか?
いや、それはない。
所詮私は父にとっては娘という名の道具に過ぎない。
三つ上の兄でも父には逆らえないと思う。
兄がフランスのブランド企業で修行すると言った時、父が渡航費用を全部出したのだから。


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