一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
そういう考え方、素敵だと思う。父は家事とか全然やらない人だった。
「そう言えば、オックスフォード大出てたっけ?」
「ああ。雪乃は兄弟いるの?」
同期なのにこういうプライベートの話をするのは初めてだ。
「お兄ちゃんがひとり。大きくなってからはあまり話もしなくなったかな。私は上京したから疎遠になっちゃって。祖母の葬式の時も葬儀に関する話しかしなかった」
兄も私もどう接していいかわからないのだ。
「まあ、一緒に住んでないとそうなるのかもしれないな。姉妹なら違ったんだろうけど」
「そうだね。いただきます」
手を合わせてまずたらから食べる。
「味がしみてて美味しい」
「それはよかった。日本酒も飲めば?」
怜が私のおちょこにお酒を注ぐ。
「ありがと。いただきます」
両手でおちょこを持ってさっそく口にすると、辛口だけど後味がすっきりして飲みやすかった。
「……美味しい」
「雪乃はビールは苦手だけど、日本酒好きそうだな」
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