一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
チャンスを逃すわけがない。
彼女の気が変わらないうちに俺のマンションに連れ帰った。
もちろん、雪乃が戸惑いを見せれば、抱くことはなかっただろう。
惚れた女に無理強いはしない。
誘う以上多少なりとも経験はあると思っていたのだが、雪乃は経験がないようだった。
身体を重ねた時に顔を歪めた彼女。
『ごめん。痛かった?』
気遣うように言ってそこでやめようとしたら、雪乃に止められた。
『平気。やめないで、沖田くん』
その声を聞いて愛おしさが込み上げてきた。
『怜だよ』
呼び方を訂正した時、彼女を一生自分のものにしようと心に誓った。
できるだけ無理をしないように優しく抱いて、朝起きたらいろいろ話をしようとしたのだが、逃げられて……。
どうして俺になにも言わずいなくなったのか。
普通に考えれば、昨夜俺と身体を重ねたことを後悔しているということ。
会社に行って雪乃に理由を聞こうとしたが、朝から部下から電話があって一緒に客先に謝罪に行き、その後も取引先への説明で日が暮れるまで会社に戻れなかった。

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