一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
顔よし、学歴よし、収入よしと三拍子揃った超優良物件の彼の唯一の欠点は女癖が悪いところ。同期の親友の話では、休日見かける度に違う女性を連れているらしい。
彼の声で咄嗟にパソコンの画面を変えた。
私が辞めることを知られたくない。
送別会なんて開かれたくないし、しんみりするのが嫌だから。
「ちょっとね。もう帰るとこ。沖田くん、今日は直帰かと思った」
ニコッと笑顔を作ってパソコンの電源を落とし、デスクの上を片付けようとしたら、彼の手が伸びてきてドキッとした。
「資料取りに戻ったんだ。これ、美味そう」
沖田君がクッキーを摘まんで口の中に入れる。
「あっ」
その様子を見て変な声を上げ、あんぐり口を開ける私。
渡す気はなかったのに、結果として彼に食べてもらえた。
そう。このチョコクッキーはなにを隠そう彼のために作ったもの。
好きになったのはいつだろう。
気づいたら彼を目で追うようになった。
オフィス内で沖田くんの声を聞く度にドキッとする。

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