一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
「興味なければ普通エンジン音なんて気にしないよ」
「車があるとどこでも好きな場所に行けて羨ましいな」
基本引きこもりで、週末はなにも用がなければ家でのんびりしている。
「じゃあ、食事したらそのままドライブしよう」
怜の提案に「いいね」と笑顔で頷いた。
都内のパンケーキの有名店で食事をすると、高速に乗ってドライブ。
二時間ほどかけて着いたのは山梨にある湖。
富士山が見えてとても綺麗だ。
標高が千メートル近くあるせいか、雪があってそれがまた風情がある。
途中激しい雨が降って天気が心配だったけど、空はすっかり晴れ渡っていた。
おまけに雨が降ったせいか人も少ない。
「怜って晴れ男?」
車を降りてそんな話を振ったら彼はニヤリとした。
「まあ否定はしない。大事なイベントでは絶対晴れるから」
「いいなあ。私雨女なのか、出かけようとすると雨降るよ」
私の言葉に彼は納得したような顔で頷く。
「ああ。だから雨降ったのか」
「うっ。素直に頷かないでよ。ちょっと傷つくなあ」
「結局晴れたんだからいいじゃないか」
< 71 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop