一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
6、悪夢がよみがえる
「雪乃先輩、今日はランチどうします?」
デスクの上の書類をまとめると、亜希ちゃんは私に目を向けた。
「天気もいいし、外に食べに行く?」
今日はポカポカ陽気。
三月中旬なのに気温は二十度と高く、コートいらず。
私の提案に彼女は笑顔で頷いた。
「いいですね。最近近くに出来たイタリアンはどうですか?」
「うちのビルの向かい側のイタリアンの店? 美味しいって噂だよね」
「美味しいですよ。ランチもパスタとサラダとドリンク、それにデザートがついて千円ですよ」
「それはリーズナブルだね」
バッグを持って亜希ちゃんとオフィスを出てイタリアンの店を出たら、正面玄関を出たところで怜と渡辺くんにバッタリ会った。
怜とは私が山梨で高熱を出した後も関係が続いている。
四月には会社を辞めて他の男と婚約するのに、彼と離れることができずにいる。
きっぱり関係を終わらせなきゃいけないのにね。
でも、怜が優しくて幸せだから決心が鈍って毎日自己嫌悪に陥るのだ。
あと二週間で福井に戻るのに私はなにをやっているのだろう。
デスクの上の書類をまとめると、亜希ちゃんは私に目を向けた。
「天気もいいし、外に食べに行く?」
今日はポカポカ陽気。
三月中旬なのに気温は二十度と高く、コートいらず。
私の提案に彼女は笑顔で頷いた。
「いいですね。最近近くに出来たイタリアンはどうですか?」
「うちのビルの向かい側のイタリアンの店? 美味しいって噂だよね」
「美味しいですよ。ランチもパスタとサラダとドリンク、それにデザートがついて千円ですよ」
「それはリーズナブルだね」
バッグを持って亜希ちゃんとオフィスを出てイタリアンの店を出たら、正面玄関を出たところで怜と渡辺くんにバッタリ会った。
怜とは私が山梨で高熱を出した後も関係が続いている。
四月には会社を辞めて他の男と婚約するのに、彼と離れることができずにいる。
きっぱり関係を終わらせなきゃいけないのにね。
でも、怜が優しくて幸せだから決心が鈍って毎日自己嫌悪に陥るのだ。
あと二週間で福井に戻るのに私はなにをやっているのだろう。