一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
しかも同じ部にいるから毎日顔を合わせる。
出来るだけ普通に接しようとするも、急に会社で彼に会うとなんて話しかけていいのかわからなくなる。
「あれ、山本さんと沢口さんはこれからランチ?」
怜に声をかけられ、亜希ちゃんが向かい側にあるイタリアンの店を指差した。
「はい、今からあそこのイタリアンの店に食べに行くところです」
「あの店美味しいよね。沖田課長、俺たちも昼はイタリアンにしよう。朝からヘビーだったから気分転換したい」
渡辺くんが手を合わせてお願いすると、怜は冷ややかな目で確認した。
「気分転換ねえ。俺と食べるのは飽きたって?」
「飽きたっていうか、賑やかな方が楽しいじゃないか。それに、今日ホワイトデーで山本さんと沢口さんにお礼もしたいし」
必死に言い訳する渡辺くんの背中をポンと叩いて怜はニヤリとした。
「それじゃあ、今日は渡辺の奢りってことで」
「渡辺くん、ありがとう」
私がニコッと笑って礼を言うと、亜希ちゃんも渡辺くんにとびきりの笑顔で微笑んだ。
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