転生令嬢~彼が殺しにやって来る~
「フロタリア、フロタリア」

 部屋には他に医師、それに両親やネヴィル様まで。
 いったいどうして揃いも揃ってこんなにも深刻そうに、それでいて安堵の表情なんかしているのだろうか。
 私はただ単に目を覚ましただけなのに。

「お父様、お母様。 いったいどうなさったのですか?」

 寝台の側に膝をついた状態で私の手を握り、目に涙を浮かべる母に聞いた。

「フロタリア、貴方覚えていないの? 倒れてずっと目を覚まさなかったのよ、もう三日も」

「三日?」

 すると、母の隣にいた父が足すように言う。

「本来なら今日から学校に入る日だ。 なのに三日前に突然倒れて、意識不明に陥っていたのだよ」

 私はまだ頭が把握しきれないらしく、今日が学校に入る日だという事も三日も意識がなかった事も理解が追いついていかない。

「よく、わからない……」
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