昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

「今から、球技大会の種目決めを行いたいと思います!」


中間テスト明けのLHR。

黒板前に立った委員長が、ハキハキした口調でそう言った。


ひとり一種目出場必須だとか、総合得点トップのクラスには景品があるとか。

ざわつく教室内でなされる説明に、わたしは背筋を寒くした。


球技大会。文化祭に続いて、またも行事があるなんて。

しかも今回は、どこかに身をひそめておくわけにはいかないものだ。


勝手にひとり焦っている間に、黒板にはカツカツと、チョークで種目がつづられていく。


バレー、卓球。ドッジに、バスケ。

肩をすくめて前方を見れば、女子はこの四種目から選ぶということらしかった。


「えー、なににするー?」

「バレーいいよね、バレー」


友達と相談しはじめる声が、四方八方で巻き起こる。

わたしは机の下でとっさに手を組み合わせ、卓球、卓球がいい、と心で唱えた。
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