昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

「やったー!永田さんナイッシュー!」

「ひゃっ!?」


矢崎さんがこちらに駆けてきて、上に構えた手を大きく振り下ろす。

あわてて出したわたしの手と、矢崎さんの手が、パアン!と小気味よい音を立てる。


ハイタッチだ。

試合開始前には、わたしを無視して行われていたそれが、今、わたしの手のひらをジンジンさせている。


「……っ」


視界がにじんだ。勝てたことは嬉しい。シュートを入れられたことも。

でもなによりも、こんな風に仲間のように接してもらえたことが、一番嬉しくて。


……わたし、もっと世界を広げたいな。

もっと頑張って、いろんな人としゃべれるようになりたいな。


頑張ったらきっと、変わっていける。

頑張った分だけ成長できる。できるんだ。


わたしなんて欠陥品で、ずっとこのままだと思っていた入学当初。

自分にこんな変化がおとずれるなんて、あのときには思ってもみなかった。


< 154 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop