昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
「やったー!永田さんナイッシュー!」
「ひゃっ!?」
矢崎さんがこちらに駆けてきて、上に構えた手を大きく振り下ろす。
あわてて出したわたしの手と、矢崎さんの手が、パアン!と小気味よい音を立てる。
ハイタッチだ。
試合開始前には、わたしを無視して行われていたそれが、今、わたしの手のひらをジンジンさせている。
「……っ」
視界がにじんだ。勝てたことは嬉しい。シュートを入れられたことも。
でもなによりも、こんな風に仲間のように接してもらえたことが、一番嬉しくて。
……わたし、もっと世界を広げたいな。
もっと頑張って、いろんな人としゃべれるようになりたいな。
頑張ったらきっと、変わっていける。
頑張った分だけ成長できる。できるんだ。
わたしなんて欠陥品で、ずっとこのままだと思っていた入学当初。
自分にこんな変化がおとずれるなんて、あのときには思ってもみなかった。