昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

本当に、なんなんだろう。頭の中を占める雨夜くんの割合が、どんどん増えていくんだ。

雨夜くんのことをもっと知りたい。その気持ちが、日増しに強くなっていく。


考えをめぐらせながら、一年三組の教室に到着する。

室内は、いつも通りにぎやかだ。引き戸の向こうから、「おはよー」や「授業だるー」という声が聞こえてくる。


ふっと息を吐いて、気持ちを整える。矢崎さんたちはもう来ているだろうか。


昨日の球技大会では、気持ちが盛り上がって団結力が高まっていた。

でも、それが一時的なものだということは重々理解している。


日常に戻った今日からはまた、同じ教室にいるだけのクラスメート同士だ。

寂しいことだけれど、怖いという気持ちはぬぐえたのだから、まったく前進していないということはない。


なにかしらの機会に、ふとした会話を交わせたらいいな。

そんな風に思って、教室内に踏み込んだときだった。
< 162 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop