昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
少し前までのわたしには考えられない奇跡が、連続して起きている。
球技大会での成功。チームメイトとのハイタッチ。
一番苦手だった人が、そうじゃなくなった。挨拶し合うことができた。
そして奇跡は、翌日も続いた。
「お、おはよう……!」
勇気を出して、わたしから矢崎さんに挨拶することができたんだ。
しかもその流れで、そばにいた相河さんに話しかけてもらえて。
「永田さんて、なんか髪サラッサラだよねー」
「えっ」
「シャンプー何使ってんの」
「シャ、シャンプー⁉︎ え、えっとねーー」
そんな風に、普通の会話らしい会話ができた。
奇跡、奇跡、奇跡の連続。どんどん世界がひらけていく。
新たな景色が見えてくる。これも全部、雨夜くんのおかげだ。
そうして夢みたいな日々を重ねていくうちに、あっという間に週末はやってきた。
日曜日。雨夜くんと、出かける約束をしている日だ。
「うーん……」
その日の早朝。わたしはベッドの上にたくさんの服を広げて、渋い声でうなっていた。