昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

着ていく服が決まらないのだ。

いや、正式には、昨日のうちに決めていた。今日出かける場所は知らされていないけれど、『動きやすい格好とスニーカーで来て』という指定はあって。

だからこれがいいんじゃないかと、花柄のチュニックに細身のジーンズを準備していた。


なのにいざ当日になってみれば、やっぱりほかのものがいいような気がしてくるから困ったものだ。

花柄ってかわい子ぶっている感じがするかな。ストライプのブラウスにしておくべきかもしれない。

でも完璧な雨夜くんの隣に並ぶには、もはやどれも不正解に思えてしまう。


雨夜くんと待ち合わせて出かけると思ったら、昨夜はあまり眠れなかった。

嬉しくてときめいて、切なくて苦しくなる。そんな原因不明の気持ちは、強まる一方だ。


それから約一時間後。

散々悩んだ末、わたしは結局最初に決めていた服を着て、待ち合わせ場所である隣町の駅へと向かった。


隣町の駅はとても大きくて、八番ホームまで存在する。

その四番ホームに降り立ったわたしは、雨夜くんに指定されている一番ホームへと、ソワソワしながら移動した。
< 165 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop