昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
着ていく服が決まらないのだ。
いや、正式には、昨日のうちに決めていた。今日出かける場所は知らされていないけれど、『動きやすい格好とスニーカーで来て』という指定はあって。
だからこれがいいんじゃないかと、花柄のチュニックに細身のジーンズを準備していた。
なのにいざ当日になってみれば、やっぱりほかのものがいいような気がしてくるから困ったものだ。
花柄ってかわい子ぶっている感じがするかな。ストライプのブラウスにしておくべきかもしれない。
でも完璧な雨夜くんの隣に並ぶには、もはやどれも不正解に思えてしまう。
雨夜くんと待ち合わせて出かけると思ったら、昨夜はあまり眠れなかった。
嬉しくてときめいて、切なくて苦しくなる。そんな原因不明の気持ちは、強まる一方だ。
それから約一時間後。
散々悩んだ末、わたしは結局最初に決めていた服を着て、待ち合わせ場所である隣町の駅へと向かった。
隣町の駅はとても大きくて、八番ホームまで存在する。
その四番ホームに降り立ったわたしは、雨夜くんに指定されている一番ホームへと、ソワソワしながら移動した。