昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

わたしたちはそのあと、ホームにすべり込んできたローカル線に乗り込んだ。


普段は使うことがない短い車両。

座席は、左右の外窓を背にして座る長いベンチタイプのものだった。


向かい合わせでなくてホッとした。

対面で話すのはとっくに平気になったはずなのに、ここ数日は、なんだかダメなんだ。

雨夜くんと目を合わせると、ドキドキが止まらなくて、走り出してしまいたくなる。


「こんな風にだれかと出かけるの、すごく久しぶり」


ガタン、と電車が動き出す。そのタイミングで、雨夜くんが言った。


「楽しみだったからかな、昨日あんまり寝れなくて」

「あ、わたしも……!小学生の時の遠足みたいな感じで、ソワソワしちゃって」

「懐かしいね、遠足。永田さんどこ行った?」

「えっとね、動物園とーー」


隣り合って交わす会話は、ポンポン弾んだ。


図書室でだっていつも話しているけれど、今日は電車で、車窓には次々と見慣れない景色が流れていって。

特別感に、胸がときめく。気持ちが高揚しているせいか、身振り手振りが大きくなってしまう。
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