昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

頭を殴られたようなショックだ。

しかも美和の顔を見てしまったせいで、中学のころの記憶が引っ張り出され、勝手に鮮明に再生される。


よみがえってしまう。『近寄んなバイキン』と言われたこと。お弁当を、机から落とされたこと。

体操服を、『きたなーい!』と爆弾のように投げ合いされたこと。机にブスと、大きな文字で書かれたこと。


それから、あの日。六月十五日。


『温美が悪口言ってたんだよね? 美和?』

『……うん』


美和が……わたしを陥れた日のこと。


美和は中三に上がるときに、家の事情でべつの中学に転校していった。

けれど、一度目をつけられてしまったわたしへのいじめは、終わることなく延々と続いた。


……ねえ、どうして?

つらい日々を過ごす中で、わたしはもういない美和に、何度も何度も問いかけていた。


どうして、美和。どうしてわたしを裏切ったの?
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