昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
ガチガチと、まるで冷凍庫にでも詰められたかのように、奥歯が鳴る。
手と手を組み合わせる力を、最大限まで強くしたそのとき。こちらに駆けてくる足音が、聞こえてきた。
「永田さん……!」
「……っ!」
足音、ドアノブが回る音、ドアが開く音。
それぞれの音の間隔はいつもよりとても短くて、あっと思ったときには、雨夜くんの姿があった。
雨夜くんはわたしのすぐそばにしゃがむと、ホッと息を吐き、安堵の表情を浮かべる。
「よかった……っ、昨日から、ずっと心配してて……。連絡手段ないし、家の場所も知らないから……」
激しく上下する、雨夜くんの肩。
仕事が終わってから、本当に急いで来てくれたんだ。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「永田さん」
呼吸がまだ整わないまま、雨夜くんがわたしの名前を呼ぶ。
そしてつらさをこらえるように、眉を下げて言った。