昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

「……大丈夫?……じゃ、ないよね」

「……っ」

「昨日……天川さんに問い詰めるかたちで、聞いたんだ。天川さんが……いじめの原因を作った子だったんだね」


ずくんと胸が痛み、体にかかる重力が倍になったように感じられた。

天川は、美和の名字だ。雨夜くんの口からその名字が出てきただけで、肺がつぶれたみたいに息ができなくなる。


ぼろりと、涙がこぼれ落ちる。雨夜くんが即座に、わたしを引き寄せて抱きしめた。


「ふ……っ」


その胸の中があたたかくて。あたたかすぎて。ぼろぼろと、決壊したように涙があふれた。


今朝起きてからずっと、不安で押しつぶされそうだった。

怖くて苦しくて、自分のことをまた大嫌いになりそうで、過去をぶりかえしてしまって、今にも折れてしまいそうだった。いっぱいいっぱいだった。


大きな手が、わたしの頭を撫でる。

何度も何度も、頭の丸みを往復して。


「……あのね、永田さん」


雨夜くんが、少し張り詰めた声で言った。


「これは……伝言をするだけだから。だから、そうしろって言ってるわけじゃないから」

「……え?」

「天川さん……永田さんと直接話したいって。話す機会をもらえないかって。そう、言ってた」

「……っ」
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