昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
「おとう、さん……?」
水分の抜けた朝ならではの声で、ぽつりとつぶやく。
不思議な思いのままカーテンのほうを見てみたら、明るい日差しの色が見えた。
導かれるように近づいていき、シャッとカーテンを開ける。
とたん、あまりのまぶしさに目を細めた。
外は、見事な晴天だった。
空はどこまでも青々としていて、夏という季節をこれでもかと表しているかのよう。
まだ朝早い時間だけれど、世界は隅々まで明るい。
まるで……今からのわたしを、応援してくれているみたいだ。
【一度直接会って、話がしたいです】
あのメッセージを送ってから、数日を重ねて迎えた今日。
夏休みの初日。わたしは美和と待ち合わせて、面と向かって話すという約束をしている。
【美和です。メッセージありがとう】
送ったメッセージには、その日のうちに美和から返信がきて。
それから必要最低限のやり取りをして……二十五日である今日の昼前に、会うことに決まったんだ。
わたしの人生において今日は、きっとものすごく重要な日。
そして、雨夜くんにとっても……すごくすごく、重要な日だ。
雨夜くんは今日、わたしが美和と会うように、お母さんと対面を果たすことになっている。