昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
『温美の目は、父さんの目にそっくりだなぁ』
鏡と向き合っていると、ぼんやりしか記憶に残っていなかったはずの今朝の夢が、急に鮮やかによみがえってきた。
『お父さんの宝物だ』
今はもう実際に聞くことはできない声が、わたしの心を優しく揺らす。
お父さんにそっくりな自分の目をまともに見られなくなっていたから、お父さんを思い出す機会も、わたしはたくさん失っていた。
でもね、お父さん。これからはたくさん思い出すから。お父さんとの、あたたかな思い出を。
鏡の前で、姿勢を正す。
お父さんが自分にそっくりだと言ってくれた目を見つめて……そして。
「今日……頑張ってくるね」
語りかけるように、つぶやいた。