昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

そのせいで起こる風を肌に感じていたとき、ポケットの中のスマホがふるえた。

取り出して画面を見てみて、思わずふっと笑ってしまう。明山だ。


【涼ちん、ファイトー!】


たくさんの意味のわからない絵文字とともに、その一文が送られてきていた。


『なあなあ、俺ら同い年じゃん? 仲良くしよーぜ、イケメンくんー!』


明山が俺に声をかけてきたのは、夜間に入ってすぐのこと。自己紹介の時間を終えたあとだったように思う。

夜間には、人間関係の構築をする気がない人も多い。

だからそのときは、面と向かって〝仲良くしよう〟なんて言われて、驚いた。


驚いたのは、その派手さにもだ。

細すぎる眉に、まばゆすぎる金髪。とりあえず、得意の愛想笑いで対応して……そうしたら、その日から延々と絡まれるようになった。
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