昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
◇
来てほしくない。
どんなにそう願っても、朝は必ずやってくるって。わたしはそのことを、いやというほどよく知っている。
空は白んで、隠れることのできる闇はどこかに消えてしまって。
気持ちとは真反対の、澄んだ青色が頭上をおおって。
そうして息苦しい一日が、スタートしてしまうんだ。
「いいなぁ、文化祭」
ゴールデンウィーク最終日の朝。
食卓についたわたしの向かいでトーストをほおばりながら、お母さんが言った。
我が家の朝食は、きまってトースト一枚だ。
六枚切りにマーガリンを塗ったもので、けっしてボリュームがあるわけではない。
けれど、サクサク食べ進めるお母さんとは反対に、わたしはなかなか食が進まなかった。
なにせ今日は、文化祭当日。
ずっとゆううつに思っていた日が、とうとうやってきてしまったのだ。
きっと今日は、すごく長い一日になる。
「楽しんできてね!」
「……うん!」
朝食を食べ、身支度を整えたあと。
見送ってくれるお母さんになんとか作り笑いをしてみせて、わたしは嫌々学校に向かった。
背骨を丸めた、いつも通りの登校スタイル。
けれどゴールしたそこには、いつも通りでない学校が待ち受けていた。
来てほしくない。
どんなにそう願っても、朝は必ずやってくるって。わたしはそのことを、いやというほどよく知っている。
空は白んで、隠れることのできる闇はどこかに消えてしまって。
気持ちとは真反対の、澄んだ青色が頭上をおおって。
そうして息苦しい一日が、スタートしてしまうんだ。
「いいなぁ、文化祭」
ゴールデンウィーク最終日の朝。
食卓についたわたしの向かいでトーストをほおばりながら、お母さんが言った。
我が家の朝食は、きまってトースト一枚だ。
六枚切りにマーガリンを塗ったもので、けっしてボリュームがあるわけではない。
けれど、サクサク食べ進めるお母さんとは反対に、わたしはなかなか食が進まなかった。
なにせ今日は、文化祭当日。
ずっとゆううつに思っていた日が、とうとうやってきてしまったのだ。
きっと今日は、すごく長い一日になる。
「楽しんできてね!」
「……うん!」
朝食を食べ、身支度を整えたあと。
見送ってくれるお母さんになんとか作り笑いをしてみせて、わたしは嫌々学校に向かった。
背骨を丸めた、いつも通りの登校スタイル。
けれどゴールしたそこには、いつも通りでない学校が待ち受けていた。