昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う
永田温美(ながたあつみ)。
わたしは自分の外見に、とてつもなく大きなコンプレックスがある。
どれくらいかって、鏡を見るのも苦痛なレベル。
叶うことなら目も鼻も口も全部、輪郭まで変えてしまいたいって、そう思う。
ただ、もともときらいだったわけじゃなくて。
けっして美人ではないけれど、生まれたときから付き合ってきた自分の顔だから、ほどほどには気に入っていた。
丸顔にちんまりした目鼻立ち。大好きな両親に似ている部分は、大切に思えていた。
でも中学二年のときから、わたしは自分の顔を受けつけなくなってしまったんだ。
その原因は、いじめ。
中学二年に上がってしばらく経ったころ。身に覚えのない悪事が広まって、わたしはクラスメートからいじめられるようになってしまった。
無視されたり、持ち物にいたずらされたり。それから、外見のことに対して誹謗(ひぼう)されたり。
当時流行っていたブサかわキャラに似ているということからはじまって、毎日のように『ブス』と言われた。
消えちゃいたい。何度もそう思ったし、朝が来なければいいと願った。
わたしに関するウソを言いふらしたのが、一番仲の良かった女子だったことも……わたしを絶望の底にたたき落とした。