視線が絡んで、熱になる【完結】
そういうタイプではないからこそ、自ら他人と関わっていこうと努力しなければいけなかったのだ。
それを怠ってきたせいで柊の気持ち一つ、読み取ることが出来ない。
「まぁそれでも仕事では結果を出せば評価はされる。でも、例えば…離したくないほど大切な人に出会った時、どうするべきなのか最適な答えがすぐに出てこない」
「…はい」
「だから考えた。俺はお前を二度と離すつもりはない。何かあればちゃんと言ってほしい」
「え?ちゃんと言う?」
柊の言葉を諳んじてみるものの彼の言いたいことの輪郭が未だに掴めない。
ちょうど信号が赤になり前方の車が速度を落とす。それに合わせて柊もブレーキをかける。
「こうしてほしい、とかそういうことだ」
「…は、はい…」
(大切な人に出会った…?それが私のこと?)
琴葉は柊に要求など何もなかった。
というよりも想像以上のことをいつも与えてくれる。
これ以上ないほどの幸せを感じている。
「今日はデートだ。なんでも言ってくれて構わない」
「…わかりました」
柊の言葉に何度も頷きながら太ももの上で拳を作り、呼吸を整える。
これほどまでに心臓が早鐘を打つようなことがあっただろうか。
火照った顔を隠すように窓を見る。
やはり思い出すのは昨夜、柊に抱かれたことだった。
それを怠ってきたせいで柊の気持ち一つ、読み取ることが出来ない。
「まぁそれでも仕事では結果を出せば評価はされる。でも、例えば…離したくないほど大切な人に出会った時、どうするべきなのか最適な答えがすぐに出てこない」
「…はい」
「だから考えた。俺はお前を二度と離すつもりはない。何かあればちゃんと言ってほしい」
「え?ちゃんと言う?」
柊の言葉を諳んじてみるものの彼の言いたいことの輪郭が未だに掴めない。
ちょうど信号が赤になり前方の車が速度を落とす。それに合わせて柊もブレーキをかける。
「こうしてほしい、とかそういうことだ」
「…は、はい…」
(大切な人に出会った…?それが私のこと?)
琴葉は柊に要求など何もなかった。
というよりも想像以上のことをいつも与えてくれる。
これ以上ないほどの幸せを感じている。
「今日はデートだ。なんでも言ってくれて構わない」
「…わかりました」
柊の言葉に何度も頷きながら太ももの上で拳を作り、呼吸を整える。
これほどまでに心臓が早鐘を打つようなことがあっただろうか。
火照った顔を隠すように窓を見る。
やはり思い出すのは昨夜、柊に抱かれたことだった。