視線が絡んで、熱になる【完結】
「ありがとうございました。こんなに購入してもらって…」
「別に構わない。その代わりこれからデートするときは今日買った服を着てくれ」
「もちろんです。ありがとうございます」
ついでに、というには金額に眩暈がしそうになるがさらに追加で化粧品も購入してもらった。
車に戻って、荷物を置いてから映画を観ることになった。
琴葉の買い物に付き合ってくれるだけでなく、映画を観に行くという恋人らしいことまでするようだ。
「何か見たいものはあるか?」
「えーっと、それじゃあ…」
恋愛系の映画は気まずくなりそうだ。だが、それ以外だとホラー系が上映時間的にちょうど良さそうだと思い映画チケット購入販売機前に表示されている映画名を口にした。
柊は何も言わずに二枚のチケットを購入した。
飲み物を購入して、涼しい映画館内で指定されている席へ座る。
(デートってこんな感じなんだ…)
うっとりしているのも束の間、館内が暗くなり静かになる。ホラー映画を選択したことを忘れていた琴葉は、突然のホラー要素満載の映像にビクッと肩を揺らす。
そんな琴葉を横目で捉えた柊は、クスクスと笑い
「大丈夫だ、俺がいる」
と、琴葉を安心させるような言葉を投げかける。うん、と頷き、どうしてこれをセレクトしたのかと後悔しつつも映画スクリーンを見つめる。
約二時間ちょっとの上映時間、何とか声を出さずに堪えて館内が照明で照らされる頃には安堵の息が何度も漏れた。
「大丈夫だったか」
「…はい、何とか」
「ホラーが苦手なら選ぶなよ」
「そうですね…失敗しました」
か細い声で言うと、それも面白かったのかクツクツと喉の奥で笑いをこみ上げる柊。会社ではほぼ笑ったところなど見たことがなかったから、やはり新鮮だ。二人でいるときに見せてくれる笑顔が好きだ。
「別に構わない。その代わりこれからデートするときは今日買った服を着てくれ」
「もちろんです。ありがとうございます」
ついでに、というには金額に眩暈がしそうになるがさらに追加で化粧品も購入してもらった。
車に戻って、荷物を置いてから映画を観ることになった。
琴葉の買い物に付き合ってくれるだけでなく、映画を観に行くという恋人らしいことまでするようだ。
「何か見たいものはあるか?」
「えーっと、それじゃあ…」
恋愛系の映画は気まずくなりそうだ。だが、それ以外だとホラー系が上映時間的にちょうど良さそうだと思い映画チケット購入販売機前に表示されている映画名を口にした。
柊は何も言わずに二枚のチケットを購入した。
飲み物を購入して、涼しい映画館内で指定されている席へ座る。
(デートってこんな感じなんだ…)
うっとりしているのも束の間、館内が暗くなり静かになる。ホラー映画を選択したことを忘れていた琴葉は、突然のホラー要素満載の映像にビクッと肩を揺らす。
そんな琴葉を横目で捉えた柊は、クスクスと笑い
「大丈夫だ、俺がいる」
と、琴葉を安心させるような言葉を投げかける。うん、と頷き、どうしてこれをセレクトしたのかと後悔しつつも映画スクリーンを見つめる。
約二時間ちょっとの上映時間、何とか声を出さずに堪えて館内が照明で照らされる頃には安堵の息が何度も漏れた。
「大丈夫だったか」
「…はい、何とか」
「ホラーが苦手なら選ぶなよ」
「そうですね…失敗しました」
か細い声で言うと、それも面白かったのかクツクツと喉の奥で笑いをこみ上げる柊。会社ではほぼ笑ったところなど見たことがなかったから、やはり新鮮だ。二人でいるときに見せてくれる笑顔が好きだ。