視線が絡んで、熱になる【完結】
会社でも非常に仕事のできる男だからか、気が利くし琴葉がしようとしていることを汲んで完璧にこなしていく。そういう時は、上司としての彼を感じた。

「こんなに早くできるんだな。ありがとう」
「いえ。食べましょう!美味しいかはわかりませんが…」
「早く食べよう」

二人で向かい合って座り、手を合わせていただきますと言った。
先に柊がハンバーグをフォークとナイフでそれを口に含むのを見てから琴葉も食べる。

「うん。美味い。料理上手だな」
「そんなことありませんが…喜んでもらいたくて」
「ありがとう」

好きな人と食事をするのがこんなにも幸せなことだと初めて知った。
柊は何度も琴葉にお礼を言って、食洗器があるとはいえその後の片づけは全て柊がやってくれた。
これではお礼の意味がないように思ったが、ここはありがたくやってもらうことにした。
幸せな気分に浸りながらシャワーを浴びた。

< 119 / 190 >

この作品をシェア

pagetop