視線が絡んで、熱になる【完結】
会社に戻るとすぐに涼が柊へ報告をしていた。
今日の19時からの飲み会についても話していた。
柊はパソコンから目を離し、顔色一つ変えずに頷く。
「わかった。間に合うように出席する」
「お願いします~。今日は担当者不在らしいですが、上司は来るそうで」
「そうか、場所はメールしておいてくれ」
「わかりました」
柊の個人連絡先は知っている。今日は琴葉の家に来るという予定だったが変更になることは柊も分かっていると思うがそれを確認し合うことが必要か悩んだ。
(メールしておけばいいのかな…)
午後も涼と企画部の人たちと会議をしたり資料を作ったり、休む間もなく結局それをどうするのか決められないまま業務時間が終了した。
18時半、涼と二人で先に会社を出る。
柊はあとから向かうらしい。琴葉がフロアを出る際にチラッと柊を確認すると、柊は電話をしているようだった。
「シャインさんとの飲み会って…結構あるんですか?」
「そうだねー、まぁたまにね?長いからね。うちのクライアントとしては」
広い歩道を歩きながら涼に目を向け聞く。涼は社交的だしそういった飲み会などの席は得意だろう。
しかし琴葉は真逆だ。それを感じ取ったのか、涼が琴葉を見ていった。
「大丈夫だよ。橋野さんもいい人だったし、あそこの部長とも飲んだことあるけどいい人だよ。他に誰が来るのかわからないけど…多分大丈夫」
「そうですよね」
涼の言葉に心の重荷が少し取れたような気がした。