視線が絡んで、熱になる【完結】
個室へ戻ると、涼も鎌田も、美幸も随分酔っているようで皆が最初と比べられないほど声も大きく楽しそうに顔を綻ばせている。
涼が柊と琴葉が戻ったのを確認すると隣に座った琴葉に耳打ちをした。
「長かったね?」
「いえ、別に」
濁すがもしかしたら涼は琴葉と柊の関係を知っているのかもしれないと思った。
勘のいい彼のことだ、ある程度理解したうえでの発言ととらえた方が納得がいく。
「不破さん遅かったですね」
「ええ。藍沢が体調悪そうだったので」
「そうなんですか?大丈夫ですか」
美幸の顔が琴葉へ向けられて咄嗟に笑顔を作った。
上手く笑えているか後で涼に聞きたいくらいだ。
「大丈夫です。全く問題ありません!」
「そうですか。無理なさらないようにしてくださいね」
心配してくれているのが伝わってくる口調に嫉妬している自分が小さく感じた。社会人としても、美幸の方が何段も上にいるようだ。個人的な感情に流されるようではだめだ。
「じゃあ、そろそろ締めますか~」
鎌田の声に、そうですね、と美幸も相槌を打つ。鎌田を先頭にぞろぞろと個室から出ていくのを確認しながら最後に残った琴葉は、忘れ物がないかもう一度チェックする。
涼が会計はやってくれているだろうから、最後のチェックをして店の入り口まで向かう。
ちょうど涼がカードを出して会計をしていた。
涼が柊と琴葉が戻ったのを確認すると隣に座った琴葉に耳打ちをした。
「長かったね?」
「いえ、別に」
濁すがもしかしたら涼は琴葉と柊の関係を知っているのかもしれないと思った。
勘のいい彼のことだ、ある程度理解したうえでの発言ととらえた方が納得がいく。
「不破さん遅かったですね」
「ええ。藍沢が体調悪そうだったので」
「そうなんですか?大丈夫ですか」
美幸の顔が琴葉へ向けられて咄嗟に笑顔を作った。
上手く笑えているか後で涼に聞きたいくらいだ。
「大丈夫です。全く問題ありません!」
「そうですか。無理なさらないようにしてくださいね」
心配してくれているのが伝わってくる口調に嫉妬している自分が小さく感じた。社会人としても、美幸の方が何段も上にいるようだ。個人的な感情に流されるようではだめだ。
「じゃあ、そろそろ締めますか~」
鎌田の声に、そうですね、と美幸も相槌を打つ。鎌田を先頭にぞろぞろと個室から出ていくのを確認しながら最後に残った琴葉は、忘れ物がないかもう一度チェックする。
涼が会計はやってくれているだろうから、最後のチェックをして店の入り口まで向かう。
ちょうど涼がカードを出して会計をしていた。