視線が絡んで、熱になる【完結】
…―…


翌朝
出社時間を遅らせているものの、柊は普段通りの出社だから同じ時間に起床した。体を合わせた後、琴葉はすぐに寝てしまいシャワーを浴びていない。柊はその後、シャワーを浴びたようだ。
お互い裸でベッドの上にいる。

「…おはようございます」
「おはよう」

昨日は特に熱くお互いを求め合った。抱かれている間何度も名前を呼ばれた記憶はあった。
これをセフレというのだろう。柊が上半身を起こしてシャワーを浴びるようだ。筋肉質な大きな背中を見ながらぼんやりと柊のことを考えていた。
これからどうすべきなのか、このままでいいのか、それとも…―。

「どうした」
「いえ」
「今日はフレックスで出社時間が遅いんだよな」
「そうです」
「今日の帰宅は遅くなりそうか?」
「多分…21時から制作部の人たちと立ち会いなので」
「そうか。じゃあ合鍵、渡しておく」
「えっ…」
「何だ」

いえ、といったが内心では合鍵の意味を必死になって考える。柊がシャワーを浴びに浴室へ行っている間に携帯電話で検索してみるが検索ワードが悪かったのか琴葉の欲しい答えは出てこない。
ため息を溢しながらベッドの上から下りると寝室の床には昨日着ていた衣服が脱ぎ捨てられている。
(…愛されているようなセックスだった)
衣服を拾いながら昨夜のことを思い出していた。
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