視線が絡んで、熱になる【完結】
マンションを出ると見知らぬ風景に慌てふためく。
あたりは高級マンションが立ち並ぶマンション街らしく、方向音痴の琴葉はすぐにスマートフォンを鞄から取り出して現在地を確かめる。
マップを利用して会社に到着したころには、髪も息も乱れ、散々な一日の始まりだと理解した。
天を突くほどの高いビルを見上げて、会社ビルに入る。
エントランスを抜けるとようやく一息入れる。琴葉はどうかこれがすべて夢であってほしいと切に願った。
だが、
「おはよう~早いね?」
「…お、おはようございます」
エレベーターに乗り込む琴葉の背後に立っていたのは、涼だった。名前の通り涼しそうな顔をしている彼をじっと見つめ、やはり夢ではないことを実感する。
「昨日はちゃんと帰れた?ていうか今日は…なんだか…髪が乱れているような」
「帰りました!ちゃんと家にかえりました!本当です!」
食い気味にそういうと、涼は必死すぎる琴葉に若干引いているようで背中を反らして「うん。わかったよ」と返す。
エレベーターから下りるとすぐに同じ階にある女子トイレへ駆け込む。個室に入り鍵を閉めて長嘆した。
今日もこのままいくと柊と顔を合わせることになるのはわかっている。だからこそ動揺しないように、ここで精神を落ち着かせようとした。
と、ここで数人の女性の声が聞こえた。誰かが女子トイレに入ってきたようだ。
あたりは高級マンションが立ち並ぶマンション街らしく、方向音痴の琴葉はすぐにスマートフォンを鞄から取り出して現在地を確かめる。
マップを利用して会社に到着したころには、髪も息も乱れ、散々な一日の始まりだと理解した。
天を突くほどの高いビルを見上げて、会社ビルに入る。
エントランスを抜けるとようやく一息入れる。琴葉はどうかこれがすべて夢であってほしいと切に願った。
だが、
「おはよう~早いね?」
「…お、おはようございます」
エレベーターに乗り込む琴葉の背後に立っていたのは、涼だった。名前の通り涼しそうな顔をしている彼をじっと見つめ、やはり夢ではないことを実感する。
「昨日はちゃんと帰れた?ていうか今日は…なんだか…髪が乱れているような」
「帰りました!ちゃんと家にかえりました!本当です!」
食い気味にそういうと、涼は必死すぎる琴葉に若干引いているようで背中を反らして「うん。わかったよ」と返す。
エレベーターから下りるとすぐに同じ階にある女子トイレへ駆け込む。個室に入り鍵を閉めて長嘆した。
今日もこのままいくと柊と顔を合わせることになるのはわかっている。だからこそ動揺しないように、ここで精神を落ち着かせようとした。
と、ここで数人の女性の声が聞こえた。誰かが女子トイレに入ってきたようだ。