視線が絡んで、熱になる【完結】
…―…
…
二度目のシャイン本社に到着した。
今日は担当者との顔合わせをする程度らしい。普段は、涼が担当しているが今後琴葉も担当していくことになることから、早めに挨拶をしておいた方がいいらしい。
何せ、シャインとの付き合いは長いようでいい関係を築いていくことが重要らしい。競合も多い中、長い間琴葉たちの会社に仕事をお願いしてくることを今後も継続してもらえるような関係強化が必要だ。
前回と同様に見上げるほど高さのある本社ビルに入る。
受付で会社名と名前を言うとすぐに担当者が現れた。
会釈してにっこりと笑みを浮かべ名刺入れをジャケットのポケットから取り出そうとする琴葉の手が止まる。
「…え、」
「あれ…琴、葉?」
「ん?あれ、もしかして知り合いですか?なんだ、ちょうどよかった。最近営業第一部に異動してきた藍沢です。これからは二人でこちらに伺うことになるかと思いますのでよろしくお願いいたします」
「…あー、はい、よろしくお願いいたします」
「よろしく、お願いします…藍沢です」
琴葉は必死で平常心を保とうとしていた。しかし、視界が徐々に歪んでいくのを実感しながらその場に立ち尽くすのが精一杯だった。
名刺を渡す手が震えていた。
シャインの担当者は、元カレの春樹だった。
何て狭い世界なのだろう。まさか食品会社で働いているなど思ってもいなかったし、取引先として再会するなど確率的に言うと物凄く低いだろう。
…
二度目のシャイン本社に到着した。
今日は担当者との顔合わせをする程度らしい。普段は、涼が担当しているが今後琴葉も担当していくことになることから、早めに挨拶をしておいた方がいいらしい。
何せ、シャインとの付き合いは長いようでいい関係を築いていくことが重要らしい。競合も多い中、長い間琴葉たちの会社に仕事をお願いしてくることを今後も継続してもらえるような関係強化が必要だ。
前回と同様に見上げるほど高さのある本社ビルに入る。
受付で会社名と名前を言うとすぐに担当者が現れた。
会釈してにっこりと笑みを浮かべ名刺入れをジャケットのポケットから取り出そうとする琴葉の手が止まる。
「…え、」
「あれ…琴、葉?」
「ん?あれ、もしかして知り合いですか?なんだ、ちょうどよかった。最近営業第一部に異動してきた藍沢です。これからは二人でこちらに伺うことになるかと思いますのでよろしくお願いいたします」
「…あー、はい、よろしくお願いいたします」
「よろしく、お願いします…藍沢です」
琴葉は必死で平常心を保とうとしていた。しかし、視界が徐々に歪んでいくのを実感しながらその場に立ち尽くすのが精一杯だった。
名刺を渡す手が震えていた。
シャインの担当者は、元カレの春樹だった。
何て狭い世界なのだろう。まさか食品会社で働いているなど思ってもいなかったし、取引先として再会するなど確率的に言うと物凄く低いだろう。