視線が絡んで、熱になる【完結】
19時に待ち合わせをしている。
「遅くなった。行こう」
「はい!」
背後から声が聞こえ振り返ると柊がいた。急いできたのだろう、息が上がっている。
緊張が彼に伝わらないようにできるだけ自然に表情筋を使って笑った。
「緊張しなくていい」
「柊さん、」
「俺が隣にいる。学生時代にあったことを含めてぶちまけてきたらいい。今の琴葉ならできるんじゃないのか」
「はい」
柊がすっと手を握ってきた。他の社員に見られる可能性もあるのに(まだ会社を出て数メートルしか歩いていない)何の躊躇もなくそれをする柊にドキドキした。徐々に顔を下げているのは、赤くなった顔を見せたくないからだ。
彼となら大丈夫だと確信した。
約束していたホテルのカフェに到着する。
入り口に入るとすぐに制服を着た女性店員が駆け寄ってくる。
名前を伝えると、すぐに奥の席へ案内された。
丸テーブルが見えると、春樹の姿も視界に入ってくる。彼も琴葉に気づいたようで、立ち上がる。
「あ、」
「待たせてごめんなさい。えっと…」
「どうも、初めまして…ではないのですが。不破です」
春樹は一瞬顔を綻ばせるものの、隣にいる柊を見て口を横一文字に結ぶ。
隣の男は誰だ、とでも言いたげだ。
「えっと、とりあえず…座りましょう」
春樹はたどたどしくそういった。ちょうど四人掛けの席で良かった。
琴葉の隣に柊が座ると、すぐに春樹が口を開いた。
「遅くなった。行こう」
「はい!」
背後から声が聞こえ振り返ると柊がいた。急いできたのだろう、息が上がっている。
緊張が彼に伝わらないようにできるだけ自然に表情筋を使って笑った。
「緊張しなくていい」
「柊さん、」
「俺が隣にいる。学生時代にあったことを含めてぶちまけてきたらいい。今の琴葉ならできるんじゃないのか」
「はい」
柊がすっと手を握ってきた。他の社員に見られる可能性もあるのに(まだ会社を出て数メートルしか歩いていない)何の躊躇もなくそれをする柊にドキドキした。徐々に顔を下げているのは、赤くなった顔を見せたくないからだ。
彼となら大丈夫だと確信した。
約束していたホテルのカフェに到着する。
入り口に入るとすぐに制服を着た女性店員が駆け寄ってくる。
名前を伝えると、すぐに奥の席へ案内された。
丸テーブルが見えると、春樹の姿も視界に入ってくる。彼も琴葉に気づいたようで、立ち上がる。
「あ、」
「待たせてごめんなさい。えっと…」
「どうも、初めまして…ではないのですが。不破です」
春樹は一瞬顔を綻ばせるものの、隣にいる柊を見て口を横一文字に結ぶ。
隣の男は誰だ、とでも言いたげだ。
「えっと、とりあえず…座りましょう」
春樹はたどたどしくそういった。ちょうど四人掛けの席で良かった。
琴葉の隣に柊が座ると、すぐに春樹が口を開いた。